ネット広告の行く末。GoogleとFacebookの広告ではどちらが効果があるのか。

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コンテンツマーケターの理想としては、自分たちで作成し公開したコンテンツ記事だけで集客し、そしてビジネスを発展させるだ。しかしその理想を実現するのは難しい。競争が激烈だからだ。

特に企業のウェブ担当者が勘違いしているのは、ネット上の競争相手は、市場での競合相手のサイトである、だ。ネット上の競争相手とは、個人が運営しているサイトも含めてものである。そしてこの個人運営のサイトが強敵なのである。ビジネス的に競合するわけではないにしても、例えば検索結果画面の場所取りで、これらのサイトに上位を独占され、自分たちの記事が人目に触れる機会が奪われてしまうのだ。

ここで、ネット広告が登場する。例えばGoogleの検索連動型広告。ある言葉で検索すると、検索結果画面の上下に広告が掲載される、だれもが知っている広告の形である。

ネット広告といえばGoogleのほぼ独占であったが、最近、このネット広告の世界も大きく変化してきている。Facebookの登場である。ウェブ担当者としては、どちらの広告を活用したほうが効果が挙げられるのか、また頭の痛い課題の発生である。

今回の記事では、GoogleとFacebookの広告特性を検討して、どちらが効果があるのかを検討してみた。そのレポートである。

■GoogleとFacebookの広告収入の変化
鳴り物入りで株式市場に上場したFacebookであるが、当初は人々の期待を大いに裏切り、公開時の株価よりも、どんどんと株価が落ちていった。モバイル対応が遅れており、将来的な成長が期待できないとの話が広がったからだ。

これはあくまでも自分の推測。この話は自然的に発生し広がったのではなく、どこかが意図的に広めたものである、そんな推測だ。どこかは、それぞれの推測に任せるとする。

さて、GoogleとFacebookの広告収入の動向である。

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Facebookの広告収入変化だ。GoogleとFacebookの広告収入を比較した場合、Googleは4倍以上の広告収入がある。しかしこの表でもわかるように、Facebookの広告収入伸び率は凄まじいものであり、Googleのかなりの脅威になっていることは確かである。

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実際に伸び率でGoogleとFacebookを比較したのが上記の図である。FacebookがかなりGoogleをうわまっているのがわかるだろう。

上記2つのグラフが示しているのは、Google広告とFacebook広告の人気度の違いである。人気度が高いということは、それだけ実際に広告を展開して効果が上がった証左である。

■GoogleとFacebookの広告手法を比較検討してみる
だからGoogleの広告からFacebookの広告に乗り換えろ、そんな単純な話を展開するつもりは無い。第一、ネット広告といっても両者の手法はかなり異なるものであり、運営しているビジネスの状況により、適切な方を選ぶのが、正しいネット広告の活用方法だ。

ということで、両者の広告手法について、簡単に説明しておこう。

・Googleのネット広告手法
Googleのネット広告の手法は主に2つである。一つは先に説明した検索結果画面に表示される広告で、検索連動型広告と呼ばれるものだ。もう一つがGDN。Googleと契約しているウェブサイトに、広告バナーを配信する手法である。どの広告バナーが掲載されるかは、訪問者の過去の検索履歴データなどを活用して決められる。

基本は、

その分野に興味のある人に、その分野での広告を表示する

である。この広告に興味のありそうな人が向こうからやってくる。広告手法としては画期的なものである。

・Facebookのネット広告手法
Googleの広告手法は強力である。しかし弱点がないわけではない。広告の第一目的は、例えば商品の良さを知ってもらい、購入してもらうことである。しかしそれだけではない。興味喚起も一つの重要な役割である。

今では状況が変わってしまったが、以前は、冬場にアイスクリームの需要が大きく落ち込んでしまうのが、業界としての大きな課題であった。そこであるメーカーなどは。

月見大福アイス(名前は不正確)

などの商品を冬場に売り出した。冬場の食品である餅とアイスを結びつけることで、人々の興味を喚起しようとしたわけである。
まあ住環境の変化もあるが、今では冬場にアイスクリームを食べることに違和感を覚える人は、それほどいないであろう。

このような興味喚起のための広告では、こちらから出向いて行って広告を展開する必要がある。Googleの広告手法が苦手とするところであり、Facebook広告手法の強みがあるところだ。

Facebookの広告手法は、古典的広告手法と基本は同じである。すなわち、人の集まる場所で、広告を展開する、である。この種の広告手法では、どのような人がどのような場所に集まるかを知ることが、大切である。男性がよく集まる場所で、女性ファッションの広告を展開しても、それほどの効果は期待できないだろう。

どのような人かの属性を、広告用語では、デモグラフと呼ぶ。男性、女性。年代など幾つかの項目で設定することになる。このデモグラフが精密であるほど、それらの人たちに向けた広告はより効果を発揮することになる。

そしてこの属性設定で、何よりも優れているのがFacebookなのである。近年のFacebook広告の驚異的な伸びは、この能力に注目が集まっている結果である。ではFacebookのどこが優れているのだろうか。

Facebookに登録する時、個人情報を入力する。まずこのデータが重要である。多くの人のデータを集めるのはそれほど簡単ではないが、他の方法でもできないわけではない。さらに重要なのは、個々のメンバーが日々投稿している記事の内容である。

20代の女性。以前の時代ならば、ある程度のパターンを読み取ることは可能だったが、現在は多様になっており、そう簡単に、その人がどのような人かはわからない。しかし、どのような記事を投稿しているかを統計的に分析すれば、その人がどの分野に興味があるのかを知ることができる。

例えば、20代女性で登山に興味がある人。

20代女性で登山への興味を持っている人が増えていることは確かだが、20代女性一般に向けて登山関連の広告を出すのは、なかなか難しい。しかし、20代女性で登山に興味がある人に向けてなら、登山関連の広告が効果を発揮できそうなことは予想できる。これがFacebook広告の強みなのである。標準要素で設定する従来のデモグラフと異なり、個人単位でのデモグラフが可能なのである。

■運営するビジネスに応じて広告手法を選択するのが大事である
さて本題の、GoogleとFacebookではどちらの広告が効果あるか、である。運営するビジネスの応じて、それぞれの広告効果は異なる、これが正解である。どちらかの手法を人気度などに応じて短絡的に選んでいたのでは、展開する広告は効果を発揮することはできない。

問題となるのは、どのようなビジネスがどちらの広告に適しているかだ。それは、運営しているビジネスの緊急度で、判断することができる。

自分の最近の経験で、健康診断の結果、癌の疑いありということになった。当然ネットで癌についてを検索。今回の場合は特に癌検診について検索した。どこの医療機関が優れているかなどだ。その検索画面に表示されている医療機関の広告には当然目がいく。そして今度はその医療機関のことを調べて、最終的にその医療機関で再検診を受けることに決めた。幸いにして、結果は良であったのだが。

これが緊急度ということだ。つまり緊急度の高いビジネスを展開しているならば、Googleの広告手法が効果を発揮する可能性が高い。一方のFacebookでは緊急度がそれほど高くないビジネスが効果を発揮する可能性が高い。例えば食べ物好きな人に向けての、季節メニューの提案など。興味喚起というわけだ。

■ローカル広告の行く末
ネット広告というと、多くの人むけの広告という感じがする。しかし、現在はそれとは大きく異なる世界となっている。

広告といっても、テレビコマーシャルのようなマス広告だけではない。例えばスーパーのチラシなどは地域限定の広告であり、これらの広告も大きな役割をビジネスでは果たしている。

ネット広告にも、実はローカル広告というものが存在する。チラシと同じ地域限定の広告である。ローカルビジネスでのネット活用が活発になってきている現在、このローカル広告にも注目度が特に集まってきている。

当然ながら、GoogleもFacebookもこのローカル広告に力を入れるようになってきている。ただし、両者のアプローチはかなり異なるものである。本記事の終わりとして、このローカル広告でのFacebook取り組みを紹介してみる。
★Googleのローカル広告については、また別の機会に取り上げることにする

Facebookのローカル広告を使うためには、まず自分のビジネスページを立ち上げる必要がある。設定手順はごく簡単で、1時間もあればビジネスページを立ち上げることはできる。使い方も、Facebookの個人ページと同様である。日々のビジネス活動や個人的な感想など。投稿する記事自体にはなんらの制約もない。もちろん社会的な規範に反したヘイトスピーチみたいなものは歓迎されないが。

ビジネスページの記事は、個人ページの記事と同様に、Facebookのアルゴリズムによって、拡散される範囲が決まってくる。基本は、ビジネスページに「いいね」してくれた人中心に配信されるが、記事の内容により、それ以外の人にも広く拡散される場合もある。

さて、あなたのビジネスページが運営している飲食店のものだとする。観光地の飲食店を別にすれば、訪問する人が住んでいる地域も限定されるであろう。例えば石神井公園近くにある飲食店ならば、西武池袋沿線の人たちだ。

Facebookのローカル広告が優れているのは、地域の限定と対象となる人の嗜好性も選択できるところだ。集中した広告展開で、無駄な費用も省くことが可能だ。地域限定ならば、広告費用は500円程度に設定することもできる。

費用の話もそうだが、Facebookの広告システムは親切なところも、好感の持てるところだ。ビジネスページで定期的に記事を投稿していく。自社のウェブサイト運営と基本的に変わらない。変わるところといえば、記事の到達範囲がわかるところである。Googleのサイト分析ツールを使えば、各記事の反応を調べることはできるが、そこまでである。後は自分の判断で、好評を得た記事と同じような主題で他の記事を展開するのかどうか。その判断だ。

Facebookのビジネスページん投稿する記事でも、全てが同じ反響を得るわけではない。記事により、20倍程度の反響率の違いがある。どこで違いが出てくるのはわからないが、特に反響率の良かった記事に対しては、Facebookより広告提案が来る仕組みとなっている。余計なお節介と感じる人も勿論いるだろう。しかしこのリコメンドは、役に立つものである。反響率がよい記事にはポテンシャルがあるということで、これをさらに広告として展開すると、大きな成果が期待できるわけである。意味のない記事で広告を展開するよりも、効果的なことは納得できる。

■最後に
ネット広告というと、大きな企業を別とすれば、我々のような小規模なウェブサイト運営者には無関係の世界のように、以前は思えた。しかし随分と時代は変わった。到達範囲を限定すれば、1000円以下で展開できる世界なのである。

ビジネスサイトを運営していて、イマイチ発展の機会を失っていると感じることもあるだろう。そのような場合は、一度、ネット広告を検討してみたらどうであろうか。