新型コロナ肺炎対策専門家会議が真に恐れていることは何か?

政府の新型コロナ肺炎対策専門家会議に対しての私の考えを述べるのは、別の機会にするとして、先日発表された会議の提言的なものについて、検討してみたい。

提言的なものについては各自で受け止め方が異なるだろう。私がこの提言的なものから感じたのは、強い恐怖感である。世界の感染者数増加傾向に比較すると、日本の場合は例外的に低いように感じている。だから特にこの恐怖感が異様に思えたのである。

新型コロナ肺炎は未知の感染症であり、今後を予測するのは極めて困難である、これが第一の理由。感染経路がはっきりしない事例が増えている、これが第二理由。それぞれの理由は理解できるのだが、それでもこの強い恐怖感の完全な理由にはなっていないのでは、と私は感じる。

こんなことを考えるようになったきっかけは、米国で最も急速に感染者数が増加しているニューヨーク州の記録を確認したからだ。次のような記録だ(日本時間3月22日現在)。

感染者数(検査陽性反応):10,356
入院患者数:1,603

そんなことまでわからなかったのか、と笑われそうではあるが、これまで私が思い込んでいたのは、感染者=入院患者である。しかし上記の数字でもわかるように、感染者の数と入院患者の数は違うのである。考えてみれば当たり前のこと。インフルエンザでも感染した人全てが入院するわけでもない。病気が重くなった人だけが入院となるわけだ。

日本の場合はどうなのであろうか。日本の場合は、この新型コロナ肺炎に関しては2種類のデータ群がある。国内感染状況とクルーズ船感染状況とである。

同じ新型コロナ肺炎原因にしては、随分と異なるデータ群である。最初、私が思ったことは、クルーズ船という特殊な環境下でのデータだから、違うのだ。そんなところだ。

しかしどうだろうか。クルーズ船のデータはニューヨーク州のデータと同じようなものであり、国内感染者数として発表されている数字とは違う種類のものではないか。そんな疑問が湧いてきたのだ。

日本国内の感染者数のその実態を考えてみよう。この患者数はどのようのメカニズムとして出てきているのか。患者数は現在は以下の方法で産出されている。

・症状が重くなり病院で検査された人
・新型コロナ肺炎患者として認定された人の家族などの接触者
・海外からの帰国者

2、3番目の数字は低いことが予想されるので、現在の国内感染者数とはほぼ

新型コロナ肺炎感染者=入院するほどの患者

であることがわかる。つまり、国内感染者数というのは正しい言葉の使い方ではないことになる。正しくは国内新型コロナ肺炎患者数であろう。

随分と乱暴な推論となるのだが、ニューヨーク州の数字を日本国内に適応したらどうなるのか。患者数の約7倍程度が感染者数となっている。ということは、

日本国内感染者数はすでに

7000人以上

である。少なくない数字だ。言葉は悪いのだが、自覚症状のない多くの感染者が野放しになっている状況である。この数字を発表することが良いことかどうかは、判断の難しいところだ。言えるのは、見かけの数字よりも事態は深刻であること。少なくとも「オリンピック希望の灯火」などという愚策は行うべきでないことは、確かである。

オリンピック開催のための数字隠しの意図がその背後にあるとすれば、これはまた言語道断の話でもある。国民の命まで犠牲にして開催する必要がどこにあるのだろうか。