チェーン食堂の行方

Posted on

ビジネス系のウェブサイトを中心として、最近はチェーン食堂が落ち目であることの情報が数多く発信されています。わたくし達が特に驚くのは、優良チェーン食堂とされていたものが、その中に数多く含まれていることです。焼き鳥屋チェーン、イタリアンチェーンやうどんチェーンなどです。どうしたのでしょうか。絶好調とか聞いていたので、びっくりとすることです。

チェーン食堂の業界には魔の数字というものがあります。700です。それまで順調に店舗数を伸ばしてきたチェーンが、この数字近くになると急に伸びが遅くなり、下手をすると不採算店の整理などで、逆に店舗数が減っていく境目となる数字です。最初この数字に気が付いた時には、わたくしにはその理由がよくわかりませんでした。現在ははっきりではありませんが、その理由がおぼろげながら理解できるところです。その理由とは、チェーン食堂には真の意味でのリピーターがいないこと。そしてチェーン食堂にいくのは頭によってであって、胃袋ではないということです。

全国700店舗までは物珍しさもあり、来店者数もそれなりのものがあります。料理などもネットなどで話題になることもあり、これも来店者数の確保には役立つものです。特にチェーン食堂の利点は、語弊があるかもしれませんが、ある種のごまかしが効いているところもあります。

大量に仕入れるので質の良い食材が安く手に入る。従ってメニューも安く提供できる。このようなロジックです。食材そのものに関しては真実かもしれませんが、それがそのままメニューに直結するかというと、ちょっと疑問です。というのも、メニュー料金にしめる食材費の比率はそれほど高いものではないからです。そしてチェーン食堂には構成的にも無理なところがあるのは、事実です。

駅前の立地や本部機能などの間接費用が高いので、食材仕入れの安さなどは、これにより吹っ飛んでしまいます。間接費用などは売り上げが落ちたからといって、簡単に変更できるものでもありません。ですからチェーン食堂が一度落ち目になると、急坂を下るようにして業績があっという間に悪化してしまうわけです。テレビCMなどの宣伝費用もばかりなりません。

メニュー料金に関しても、最近はそのチェーン食堂の苦しさがすぐにわかる感じにもなってきました。目に見える値上げは勿論ですが、料理の皿が極端に小さくなっているのに気が付いている人も多いのでは。

メニューが安い。質が高い。チェーン食堂の特色とされていたことは、実際は、思いこまされていたという面が強いわけです。しかし、2、3度いってみれば、よほどの人でない限り、それほどでもないなと、思うはず。店内ポスターなどにはいかにも美味しそうな写真を使っていますが、これが逆効果となり、普通感が一層際立つこととなります。本当にその食堂が気に入ったというわけでもなく、従ってリピーターにもなりません。

チェーン食堂で働いている人も多いので、難しい話題とはなりますが、わたくし個人としては、チェーン店がこれ以上伸びて欲しいとは思っていませんので、ある意味歓迎すべき点であると考えています。どの駅前もチェーン店の看板で同じようになってしまっては、生活自体がつまらなくなってしまうから。

では、チェーン食堂の凋落はどのような理由で始まったのでしょうか。理由は明確で、頭で勝ったものは頭で負ける、です。頭とは、メニューが安いとか品質が良いとかを頭で判断して、チェーン食堂に行くことです。別段そのお店が気に入ったからではないから。別のところが同じようなことをすれば、すぐそちらにいってしまう客層なのです。食品スーパーの弁当売り場などをのぞいてみればわかるように、今では300円以下の弁当でもそれなりの作りとなっています。チェーン食堂でもその安さを演出するために格安メニューも用意していますが、ちょっと注文したくないものであり、結局支払いでわかるように、それほど安くもないのです。

もう一つの理由は、人々の購買行動が変化してきていることです。マスコミのことを信頼できるメディアであると考えている人は、現在は少ないのではないでしょうか。そして必然的にそのマスコミが流しているテレビCMなどに対しても、以前のように直接的に反応する人も減ってきているのでは。まずは自分で調べてみてから行動する人が増えている感じです。そのような人に対応するための道具が、逆に自営の食堂には揃っています。例えばHPなど。従来の宣伝などと異なり、月々1000円以下で十分に自分のお店の宣伝活動もできるわけです。

全国一律にテレビCMを流してお客を集める。この方法自体が限界に達しており、そもそもチェーン食堂が成り立つ基盤が崩れているわけです。わたくしごととはなりますが、今住んでいる大泉学園界隈では、個人食堂が結構元気で営業しています。以前に住んでいた街はそれこそチェーン食堂ばかりでしたので、ちょっとした驚きでもあり、そして生活が充実してきていると実感しています。

これまではよくチェーン食堂にいっていたのですが、その当時の自分がいかに馬鹿らしかったのか。大泉学園的なまちが増えることを願っている現在であります。

(Visited 32 times, 1 visits today)