小説家小川洋子氏のおでこについての若干の考察

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小川洋子氏のエッセイ集である「とにかく散歩いたしましょう」を読みました。月に一度毎日新聞に掲載したもので、4年近く続いたものです。文鳥や愛犬などがよく登場して来るのですが、その4年の月日で衰えたりしたことが書かれており、ちょっと寂しさも感じるエッセイ集です。

小説家の方々には不本意かも知れませんが、わたくしの個人的な好みとしては、小説自体よりもその小説家のエッセイの方に興味があります。何故か。日頃わたくし達は色々な人との付き合いがある訳ですが、その人が実際何を思っているのかはわかりません。長年一緒にいる家の者でも、どんなことが好きなのかはもちろん、過去の思い出についても詳しくは知りません。作家のエッセイではそのあたりのことが書かれているので、何かその小説家のことを昔っからよく知っているつもりになってしまいます。現実では難しい関係と言えるでしょう。

心のうちが知れるだけが、楽しみではありません。人により経験も随分と違うなと感心するのも、エッセイならでは楽しみです。今回はこの本から、気になった話を紹介したいと思います。小川氏は女性であり、わたくしにはよくわからないところもありますが、妹いるので、大体のその感じはわかります。題材は髪型についてです。少し長めの引用とはなりますが、そのあたりの話を紹介します。

ーーーーー以下引用

子供の頃、いつも前髪を束ね、頭のてっぺんで結わえていたのが原因ではないかと思う。それは、額に髪の毛がかかると頭が悪くなる、という迷信にとりつかれていた母が編み出した髪型だった。おかげで今になって、大きすぎる顔を髪の毛で隠して少しでも小さく見せようとしても、全然言うことを聞かず、てかてかとした額がむき出しになってしまうのだ。

ーーーーー以上引用

小川氏とわたくしはそれほど年齢も違いません。小学生の頃、同級生の女の子で同じような髪型をした子が何人かいました。その同級生達の母親も、同じような迷信を持っていたのかも知れません。まあわたくしの母親は、子供を構っている暇もなかったので、妹などは、好き放題に髪を伸ばしていたのですが。

小川氏の髪型の話を読んで、急にわたくしの頭に浮かんだのは、韓国ドラマ。現代ものです。ある時、男優の髪型にはあるルールがあることに気がつきました。そのルールとは、若い時は前髪で額を隠し、年をとると額を出す髪型にする。このようなものです。どんなドラマでもこのルールは一貫しており、韓国社会では、髪型について何かの考えがあるのでは、と思ってしまいます。どのような考えかはわかりませんが、あるいは小川氏の母親のような迷信的なものがあるのかも。

わたくしの感じでは、この額を前髪で隠すのには、どうも違和感があって、それでこのルールに気が付いた訳です。子供の頃は、兄は長髪なのに自分と弟は何故かしら坊主頭でした。こちらは額を出すことが当然だと思っていたせいで、どうしても前髪で額を隠すのにはいつまでも慣れない訳です。もちろん、女性については、この限りではありませんが。

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