5月雨の日の日本橋図書館

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普通は公立の図書館などは、その地区の住民であったり働いている人でないと、図書館利用カードを作ることはできません。わたくしの経験の範囲では。ところが中央区の図書館は、そんな制限がないようです。日本橋図書館に行った際に、係員の人にダメもとで聞いたみたら、そのようなこと。随分と公共サービスも発展したなと、日頃は公的機関に不満を持っているのですが、感心もした訳です。

なんで住んでもいないところの図書館を利用するのか。これには理由があります。打ち合わせなどで郊外から都心に行くのが、こちらの仕事ですが、時には当日になって打ち合わせの時間が変更となる時があります。まさかもう一度事務所に戻って、という訳にもいきません。ノマドワーカーよろしく、喫茶店などで作業をすることも考えられますが、わたくし自身にはどうもそのような作業は性に合いません。また仕事では参考書的なものも必要となる場合があるので、ですからわたくしには出先での図書館利用が、もっとも便利なのです。

現在の仕事状況になってすでに数年。自分にとっては全くの新しい仕事形態でしたので、最初は手探り状態でした。忙しい時は、打ち合わせが連続して1日に数回。それはまだましな方で、特に困るのは、朝一番での打ち合わせの後、夕方近くにまた一本の打ち合わせがある時です。わけがわからないときは、隅田川沿いを歩ってみたりあるいは美術展などにも。わたくしの性分なのですが、次に予定があると、気持ちが落ち着かないので、結局気が付いてみると、どこかでじっとしている機会ばかりが増えて行ったのです。

そんな時に見つけたのが、打ち合わせ場所の近くにあるこの日本橋図書館。大げさではなく、わたくしの近年の発見でもっとも価値があるものでしょう。

図書館といっても、その中身は一つ一つの図書館で随分と違うものです。利用者の層。係員の雰囲気。もちろん、所蔵している本の並べ方や読書や研究スペースなど。以前住んでいた近くにある図書館などは、建物は新しいのですが、いっては失礼ですがご老人ばかりが昼間からたむろしており、スポーツ新聞などをめくる音がうるさいものでした。人の自由ではありますが、思わず、そんな新聞家でも読めるだろうが、といった考えが浮かんでしまいます。

で日本橋図書館です。わたくしとしては気に入っているわけですが、この文章を書きながら、改めてどこが気に入っているのか考えてみました。蔵書もそれほど豊富ではなく、小説の棚には古典作家が見当たらないなど。わたくしとして問題があることは確かですが、そのような欠点を打ち破るもの。それはなんといってもスペースの広さです。例えば書架と書架の列の間が広く通って、図書館でよくあるような、他の利用者と触れるようなことがありません。読書のスペースに関しても同じです。狭い場所に無理やり押し込められるような感じが全くしないので、読書や研究に集中して取り組めるわけです。

今日は雨の日。天気予報では、このまま東京地域も梅雨になってしまいそうな勢いです。日本橋図書館の利用を思いつかない時期のことが、つい頭に浮かびます。傘をさしながら当て所なく歩いている時間。思い出としてはそれなりに大切なものではありますが、まあ二度とは経験したくないものです。

打ち合わせまで、後3時間近く図書館を利用できるな。考えてみただけでも、楽しい気分となります。今日は午前中に図書館に入ったから。あるいは雨の影響は、思いの外図書館は空いていました。まずは座席の確保。いつもは共同スペース的な場所を使うのですが、個人用のスペースが空いていたので、そこを利用することに。

皆さんにとって、図書館の楽しみは何ですか。わたしの場合は、何と言っても新しい世界の発見です。日頃の読書は大概は目的を持ったものです。ただそれだけだと、どうしても息苦しくなってきてしまいます。書架を適当に歩いて、興味の湧くままに、目に止まった本を選んでみる。中身を検討することなどありません。気に入らなければ、また書架に戻せば良いだけ。この気楽に選ぶのが、全くの楽しみなことなのです。

今日選んだ本は。数学関係では、永野氏のもの。考え方中心の数学説明が気に入っているので、まずはこの本は必須です。まあ1問か2問を解いてみるだけなのですが。次に選んだのは、図書館関係の本が集まっているところ。どの図書館でもこのコーナーには意外と面白い本が集められています。図書館関係ばかりではなく、むしろ本に関する本があるところが、わたくしには嬉しいところです。

洋子さんの本棚と安野光男氏の本に関するエッセイ。洋子の本棚とは共に岡山県出身の二人の作家による本の対談集です。二人の作家とは、小川洋子氏と平松洋子氏です。あまり関係ない話ですが、大学の同級生が平松洋子氏と同じノートルダム清心の卒業生であり、学校の話もこの対談に出てくるので、親近感が湧きました。

どんな内容の本なのか。また近くうちにご紹介したいと思います。まだまだ時間があると思って、ゆっくりと本を読んだり文章を書いていたら、いつの間にか約束の時間が迫っていました。また次の機会に。楽しい気分そのままで打ち合わせに行くことになりました。

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