絵を買う話がボコボコになる理由は?

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SNSでの知り合いの画廊関係者からこんな記事が話題になっているとのことでしたので、興味がありましたので、その記事が掲載されているサイトを訪問してみました。話の概要としては、絵を購入することについての意見。その意見自体はそれほど面白くはありませんが、興味を引いたのは、この意見に対して多くの人が反論を寄せていること。これらの反論から、改めて絵画を購入することの意味について考えてみたいと思いました。

当の記事は以下のもの。Blogosという一種のブログキュレーションサイト的なものです。他の掲載された記事を以前にも読んだことはありますが、正直のところ質の良い情報は少ない感じのサイトです。

https://blogos.com/article/366762/forum/

この記事の著者についてはよく知りません。ただ寄せられた反応を読んでみると、その姿がおぼろげにはわかります。あくどい投資コンサルタントといったところでしょうか。あくまでもこれは感想ですので、興味のある人は調べてみてください。

具体的にこの記事と諸反応の検討を始める前に、まず私自身の立場を明確にしておきたいと思います。その立場とは単純なもので、

ブローカー的な人たち(画廊関係者も含め)には、絵画販売に関して発言して欲しくない、これです。

何故このように考えるのか。その理由も簡単です。絵画芸術ばかりではなく小説も含めての話なのですが、ブローカーの取り分が多すぎるのです。具体的な話をしてみましょう。例えば画廊で30万円の絵が売られているとします。この絵が売られたとして、さて画家の取り分は。

作った本人である画家の取り分が当然多いと想うひとが多いでしょうが、実は真逆。画家の取り分は多くて9万円。下手をすると5万円程度です。よく画家は貧乏な人が多いようなことをいう人がいますが、それらの人たちは、この実情をよく理解していないだけなのです。絵が売れないのではなく、単に取り分が少ないだけ。

出版の世界もさらにひどいものです。本を書いた場合、出版社からの金額受け取りには2種類あります。一つは買取で、他方は印税方式です。買取は単純でこの本を書いてくれたのではい100万円、というもの。印税方式は売れた本の数で受取額が異なるものです。買取ではたとえその本が10万部を超えるベストセラーになっても、著者の取り分が増えることはありません。印税方式の場合は、本が売れるほど著者の取り分は増えていくことになります。

印税方式などなんて良心的。そのような感じもしますが、問題となるのは、その印税の中身です。まあ私は一流の書き手ではありませんので、業界標準である10%となります。1000円の本が一冊売れると100円の収入となるわけです。私の場合は大体は2,3000円クラスの本なので、1万部売れると200万から300万の収入となるわけです。それにしても本を一冊描き上げるには、相当の時間がかかりますの、時間給とすれば、国の最低賃金ラインすれすれではないでしょうか。

こんなものなのです。中間者が儲けすぎなのが、この国の衰退の最大の原因。中間者にもそれなりの言い分はあるでしょう。この絵が売れるまでどのくらい働いたのか。あるいは出版社のネームバリューで本が売れているのだなど。

しかし時代は確実に変化しています。具体的な例も出てきています。例えばアマゾンの電子出版事業。ここでは著者の取り分は70%です。電子出版ですので、著者自身で本も作れるので、まさに働いた人が多く収入を得られる仕組み。絵画にしても、当サイトが実際に行なっているようなネット販売が主流となってきています。現物をみなければ絵の良さはわからない。果たしてそうでしょうか。返品、返金システムを確実にすれば、誰でも安心して、自分が気に入った絵画を選んで購入できる時代なのです。

本題に入る前に私の主張が長々となりました。申し訳ないところですが、話を投資ブローカーに戻しましょう。この著者の主張は、

日本では絵は美術館で見るものと決めてしまって、絵を持つことの楽しみを知らない。です。話としては間違ったものではありません。しかしこの話の不十分なところは、絵を持つことの本当の価値について語っていないこと。多分、著者自身がそのことを知らないから。記事ではあたかも自分が絵をオークションで購入するようなことを書いていますが。

著者のこの記事での目的は、私にはこれから値段が高騰しそうな絵画芸術を選ぶ目があるので、絵の購入(私への投資)はお任せください。そのような話です。だから多くの人がこの人の発言に反発しているのです。話の底が見えている、です。

しかし、反発している人たちもどうなのでしょうか。絵は単に家に飾って楽しむものではありません。絵画にはとても不思議な力があって、その力が精神的にも経済的にも大きな影響を、その絵を持っている人に与えるのです。この絵が将来的に値上がりするなどとは比べ物にならない、効果なのです。

なぜ、昔の王侯貴族が争って絵を求めたのか。それも当時にしてはそれほど有名でもない画家を。それは、絵画がもつ不思議な力を知っていたから。逆にいうと、その不思議な力を手にしたから王侯貴族になったとも。

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