SNSとGoogleマップでチェーン店が危ない

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鳥貴族が赤字になったということです。何か調子が良いような話を聞いていたので、意外な感じです。赤字の原因は、全品一律料金の値段をあげたからだ、ということです。表面的な理由はそうではありましょうが、自分としては大きな流れの反映に過ぎないのではないかと思っています。その大きな流れと何か。今回の記事の主題です。

居酒屋などの飲食店チェーンにとっては、1000という数字はもしかしたら悪魔の数字かもしれません。大概のチェーンは伸び盛りの際に、全国1000店舗などの威勢の良い目標をあげるのですが、その宣言を境にして、衰退時期に入ってしまいます。居酒屋の元祖的なものである養老の滝などの3つのチェーンもそうですし、第二世代とされるワタミなんかもそうです。これに新世代とされる鳥貴族もそうなることで、悪魔の数字は1000ということで決まりです。

飲食店経営経験ゼロの私の考えなのであてにはできませんが、本当だったならば500店舗展開に達した時に、リピーター(店の味に馴染みがある)を増やす方策を開発することに時間をかけるべきだったのでは、と考えるわけです。均一価格を値上げしたとしても、その金額はそれほど大したものではありません。ほんのちょっとと値上げて客が去ってしまうのは、その店じゃなくちゃだめだというお客さんは本当に少なかったということです。鳥貴族の創業者の方などは、ネット情報などをみる限りは、優れた人のように思えたのですが。現場感覚がなくなってしまったのか。

この記事で話したいことは、鳥貴族のことではありません。鳥貴族の不調は何か大きな流れの反映ではないか、そのような考えを展開したいと思うわけです。これも私の勝手な造語ですが、「これからは個店の時代」ではないのか。個店とは個性のあるお店のことです。具体的に言えば、チェーン店ではない飲食店のことです。

私ごとですが、最近引っ越しました。引っ越し先は大泉学園地域です。これまで住んでいたところは、チェーン店が目立つところばかりであり、当然、たまの外食もそのようなチェーン店だったわけです。別段不満足でもありませんが、またそれほど楽しものでもありませんでした。驚くような食べ物がないので。

家の者とも一致した意見というのは、せっかく引っ越してきたのだから、これまでのようにチェーン店ではなくて、自分たち独自のお店を見つけようというものです。もちろん、私たち独自の考えというよりも、外からの影響を反映したものです。例えば「孤独のグルメ」みたいなテレビ番組から。

ある意味イージーな作りのこの番組では、番組の主人公が行き当たりばったりに目にした飲食店に入ります。もちろんそこはチェーン店ではありません。番組では味はわかりませんが、雰囲気的なものはわかります。特に私が注目しているのは、料理のサイズです。この番組を見てから思ったのは、これが普通の料理だよね、ということです。いつからこの国の料理は小皿サイズになってしまったのか・

大量仕入れで材料が安く手に入るので、ご提供する料理も格安です的な話がチェーン店の売りなのですが、実際はどうなのでしょうかね。結局のところ、独自の工夫もなく、働いている人には十分は賃金を払わず、そして料理は料理で量を少なくする。言っていることの本当のところは、もう私達には見え見えなんだよ、とこの番組を見ていた人たちははっきりと理解したはず。

もう一つの大きな影響がSNSとGoogleマップ。私自身は料理の写真などをSNSにアップすることはありませんが、知り合いの多くは投稿しています。それらの投稿された料理あるいはお店をチェックしてみると、これも当然ながらチェーン店などはありません。「今、鳥貴族で宴会中」なんていう話は、SNSも随分と長く自分では行なっていますが、ただの一度も聞いたことはありません。どうせ透子するならば、もっとインパクトのある料理やお店の話。それは当然、自分独自で見つけたお店の話になるはず。

駅前の目立つ場所に店を構える、これもチェーン店方策の有力な一つです。人は自分自身の考えで行動しているように自分では思っていますが、大概は、外的な条件で行動しているものです。ですから、駅前近くにある物理的な条件で、そのお店に行く場合が多いのは、それは当然のことでもあります。しかし、近年は人々の行動パターンはそのような物理的なものから、情報的なものに大きく変化をしています。目の前にある看板なんかよりも、手元のスマフォで表示される情報が優先される時代なのです。

例えば、今日は中華が食べたいとか、あるいは恋人とイタリアンに行きたいなどと思ったとします。これまでは、まずは駅前を出てそこから探すようなことだっかたも。しかし今は違います。すぐに検索です。そしてその検索画面がこの前までとは随分と違っているので。大概はGoogleマップが表示され、そのあたりにある例えば中華屋さんが表示されます。これまでは口コミサイト的なものがあって情報を独占的に扱って恣意的な検索結果を出していましたが、そんな口コミサイトもこのような状況ではすでにおしまい。グーグルはこのサービスで直接的な利益を得ているわけでもないので、客観性にはある程度の信頼性があります。本当の情報を検索画面に表示することがGoogle社の存在理由ですので、目先の利益に左右される口コミサイトとは違うわけです。

このGoogleマップを実際に使った人ならばわかると思いますが、ここでも別段どこかの口コミサイトとは異なり、チェーン店が優先的に表示されるわけでもありません。むしろ、すでに私が書いている個店の方が上位にランク付けされる場合が多いように私には思えます。

つまりのところ、SNSやGoogleマップの登場により、チェーン店がこれまで優位とされていたことが無意味となっているわけです。ゲームのルールが変わった。そのことを理解もしないで、何を目指しているのか明確でもない1000店舗などの夢想を抱いているチェーン店などが、その目標を達成できるはずがないわけです。ですから、これまでは何をやってもダメそうだと諦めていた個店には、逆に大きな可能性が開けることになっていると言えます。

チェーン店経営者もこの辺りをこれからは十分に考慮していく必要があるのではないか。と言っても、私がチェーン店に行くことはないので、実はどうでも良い話なのですが。