俳句で巡る3月

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この「日々の旅日記」はその日その日に感じたり考えたことを中心に書こうと始めたわけですが、振り返ってみると何か技術的な話が多くなっているようです。ニュース的な記事が思いの外反響をよんで、訪問者数が前週の2000倍になるなど、信じられないことも起こっています。訪問者数が増えること自体は嬉しいには違いありませんが、ちょっと違うんじゃないかなという気持ちも同時にするわけです。そこで今回は、最初の目的に戻って、まさに日々の旅日記的な話をしてみたいと思います。

去年の3月は雪が降りました。寒くなって桜の開花が遅れるのではないかという話もありましたが、その後急激に暖かくなり、平年よりは少し早いくらいで開花となりました。今年も3月に入ってから雨の日が続いています。関東の山岳部あたり雪になっているところもあるようですが、平地では雪にはなっていません。多分ではありますが、今年3月はこちら大泉学園付近では雪をみることはないでしょう。

2月は当サイトの再開準備ということで、わさわさとして気分で過ごしてしまいました。サイトの作りもまだまだではありますが、一応の形は整ったことで、3月は、日々の生活や季節の移り変わりを落ち着いて味わいたいところです。そこでまずは3月とはどのような時期なのかを、俳句で辿ってみることにします。

春雨やものがたりゆく蓑と傘

江戸中期に活躍した俳人の与謝蕪村の一句。蕪村は画家としても活躍しており、最近蕪村の作品の一つが国宝に指定されたことでも話題をよびました。この句の解釈は色々とあるみたいですが、例えば農民と武士あるいは男と女が春雨の中を語らいながら行きすぎていく、など。やはり画家という視点があるのか、春雨を背景(情景)として、二人を浮かび上がらせるところが、私としては好きなところでもあります。

梅が香にのっと日の出る山路かな

あまりに有名な松尾芭蕉の一句ですね。芭蕉の句の不思議なのは、素晴らしいと思ってその理由を探ろうとしても、その理由がわからないところです。なぜだろうか。蕪村の句と比較すると、少しわかったような気が私はします。蕪村の句は、蕪村の視点でみられた情景を私たちがみる、というものです。蕪村が描いた絵を観ると言っても良いでしょう。一方の芭蕉ですが、こちらは芭蕉のみた風景というよりも、あたかも自分がその場所にいる感じがします。つまりは芭蕉と同じ方角を自分もみている、そのようなものです。春雨、日の出、山路といった本来的には何も関係ないことが自分がその場にいることで、一挙に関連性のあるものとして現出するわけです。

梅一輪一輪ほどのあたたかさ

これも有名な俳句です。作者は、服部嵐雪。江戸時代前期の俳人で芭蕉の高弟の一人です。私ごとではありますが、最近、大泉学園と保谷の境目あたりに引っ越してきました。梅林や梅を育てている家も多く、特に目立つのは紅梅が多いことです。そんな梅ですが、そろそろ花の時期は終わりそう。次は桜の時期です。

3月も始まったばかりではありますが、今年の3月はどのような風景を楽しむことができるのでしょうか。楽しみながら日を暮らすことにしたいものです。

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