トヨタも炎上、SNSの難しさとその解決策

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特にメーカーとしては、その製品を使ってくれているユーザーの声は大変貴重なものです。自分たちが作っているものが、本当にユーザーにニーズにあっているのか。これがわからなければ、闇雲に製品を作るだけのことになってしまうから。

ユーザーの声を聴くために従来ならば、モニター座談会みたいなものが主流でした。しかしこのような座談会では、どうしても話を取りしきるように人が出てしまい、まさに声なき声を聴くことが不可能です。このような状況で登場してきたのがSNSです。例えばある問いをメーカーが発すると、その問いに答えてくれる人たちが登場します。それぞれ個人の発言ですので、多くの人の本音的なものを知ることができる、最適なツールなのです。ですから、今では多くの企業がこのツールを活用しているは当然のことでもあります。

SNSの活用方法について解説記事を書こうと思っていた時、SNS関連のニュースが飛び込んできました。トヨタのSNS投稿が猛反発を特に女性から受けている、といったニュースです。これには正直なところ驚きました。というのも、堅実な社風で知られるトヨタでもこんなことが起きるのだ、という意外な感じです。

詳しくは知りませんが、報道によると、トヨタのSNS担当者が次の問いを発したとのことです。

女性はやはり運転が苦手ではありませんか?

的なものです。これに対して、女だからといってあたかも運転が下手なような決めつけはいががなものか、このような反発が起こっています。

投稿をしたSNS担当者の気持ちは、よく理解できます。別段女性ドライバーをバカにするのではなく、女性として現在の車の運転環境はどうか。もし不満があるのならばおしらせください、です。例えば現在の車のシートは前後には移動できます。しかし統計的に明らかなように女性の平均的な身長は低いので、例えば上下の移動も欲しいのではないか。そのような声を聞きたかったわけです。

SNSが難しいのは、このトヨタの例でもわかるように、発信者としてはある意味善意の気持ちからなのですが、それが別な意味で理解されてしまう場合が多い、ということです。そしてそれが炎上になってしまうのです。女性は運転が苦手→女性は運転が下手→女性蔑視ではないか。このような思考の流れを多くの女性から引き出してしまったわけです。

ではどうするか。大概はべからず的なマニュアルを作ることになるでしょう。これこれはやってはいけない。あれもだめだ、これもだめだのようなものです。しかしながらそのようなマニュアルを作るのであれば、SNS自体をやめてしまった方が良いです。お役所的な言葉(まあこれも一種の決めつけになるのでしょうが)、では人々の率直な意見など引き出せるわけがありません。自由な感じの発信がSNSの魅力なのですから。

実は簡単なことなのです。歌舞伎の女型を演じれば良いのです。 SNSでの発信も一つの文章だとすると、多くの人は文章を書くことを誤解しています。この自分の考えや感じを発するのが文章であると。果たしてそれは真実でしょうか。良い例が、紀貫之の土佐日記です。土佐日記は女性が書いてあるような体裁をしていますが、実は紀貫之という男性が書いているのです。つまり紀貫之は架空の女性を作り上げて、その女性が書いているということにしているわけです。歌舞伎の女型もそうですね。男性が女を演じることで、独特の世界を作り出しているわけです。

つまりは、たとえ担当者が男性だとしても、女性へ向けての発信の際は、自分があたかも女性になったような立場で。あるいはお年寄りに向けた発信では、自分が年寄りになったつもりで、発信すれば良いのです。自分が女性だとしたら、女性は運転が苦手などの発想が出るわけはありません。

企業のSNS担当者に任命されたのならば、そのくらいの演技力が求められていることを、よくよく理解すべきです。SNS担当の仕事は随分と大変なもので、危険性も伴う仕事ですが、ユーザーの声をもっともよく知っている人間として、大いに活躍して欲しいと思うところであります。

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